裏ヤン先生に愛されます


「…可愛いヤツ。愛してるぜ」

嘘っぽい囁き。悪魔に近い言葉。

なのに、ドキドキしている自分がいる。

あたし…、禁断の恋をするの?

(…奏平はきっと嫌がる。…あたしは普通の女子じゃなくなるってことは。

親だって悲しむに決まってる)

「…周りを気にするイイコちゃんか。

俺も学校ではいつもそうだった。だけどバイクで乗り回して、

社会に反抗するのがすげぇ楽しいんだ」

「そういうとこ、不良っぽいです」

「俺と付き合えねェなら。無理は言わない。

だけどホンキで好きなんだよ、あいら」

「…夜、また会いに来ていいですか?」

(悲しむ皆のカオは見たくない。だけど狼さんのカオだって…)

きゅっと手を握ると、握り返してくれた。

「待ってるぜ、あいら」

抱きしめてもらったとき、もう遅いと分かった。

彼に恋を完全にして、堕ちているってコトを。

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