裏ヤン先生に愛されます
「「帰りちょっと遅いで」」
(ちょっと心配性過ぎるでしょ…)
小さくため息をついて、また後ろを振り返る。
(あの人に会えるかな…)
きゅっとケータイを握り締めて、家に帰った。
家には幼馴染がいた。
「ちょぉ、遅かったやん!買い物だけやろ?
俺が行きゃよかったな」
幼馴染の犬賀 奏平(イヌガ ソウヘイ)は、元は関西出身。
だけど奏平が3歳のとき、こっちに引っ越してきた。
関西から関東の言葉には慣れないけど。
「奏平…心配性過ぎるでしょ…。あたし達、明日からは高校入学式なんだよ?
同じ高校で、そんなに心配しているとあたし不安だよ」
「何を言うとるねん!俺はあいちゃん以外は、何も心配ちゃうねん」
そういって、悲しげにうな垂れていた。
「分かったよ」
心配性の幼馴染に毎日気を使う日々。
あたしの両親は、夜出勤で家に帰ることも少ない。
「明日の入学式、楽しみやなぁ」
奏平は笑顔で明日を待ち望んでいた。