裏ヤン先生に愛されます
キミが愛する人のところへ行こうとする前に。
だけど分かってはいた。
自分の隙間なんてないってこと。
高校生にあがるまで、あいちゃんは暗かった。
(苛められてたんや。それはしゃーない。
いつも傷まみれやった。俺もあいちゃんを守って、殴られたのはあるんやけど。
どうしていつもあいちゃんが、省かれたんかはわからん。
何をしたんかも分からない。
だけどいつも1人だった。小学校までは、友達が多かったのに。
中学校では、ずっと1人や。俺がおらんと泣き虫ですぐに泣いていたのに。
いつの間にか…、あいちゃんから離れていっとる)
切ない気持ちと、さよならが近い予感がした。
(もし…あいちゃんが、どんな人を好きになろうとも。
俺もまた、一生忘れらへんのや。あいちゃんが好きってことは)
弱くて、俺の後ろにいた、存在。
ずっと守りたかった。傍で誰よりも理解してあげる存在になりたかった。
(…結局は、都合よく俺があいちゃんを振り回しているだけかもしれん。
そんなのは、俺が嫌や)