裏ヤン先生に愛されます


俺はオトコだから泣かない。

だけどまた、あいちゃんが泣いたりしたら。

俺はきっとすぐに慰めに行くだろう。

(なぁ…?俺は諦めれ悪いんや)

委員会決め、部活決め。全部あのセンセーがおる。

しかも俺を嫉妬で満ちた顔を見ていた。

センセーがあいちゃんを好きなのは、分かっている。

(ありゃ、ホンキか…)

だけど俺にも希望はあるのかも知れない。

あいちゃんは、隙が多いから。

だからこそ、あっという間にセンセーに持ってかれるのかも知れない。

(俺だからこそ、出来ることは兄のように守るだけ。

許嫁とか言っても、もう結婚はありえへん。

だからせめて、学生時代だけは俺が傍にいたい。

あいちゃんと結ばれない、報われない恋だとしても。

毎日あの笑顔を見たいんや)

「奏平、ちょっと夜出掛けてくるね」

待って、俺も行きたい…。

どうしたら、キミは止まってくれる?

どうやったら、俺のほうを見てくれるん?

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