裏ヤン先生に愛されます
何かを思い出して、ポケットから飴を取り出した奏平。
「ほら、食べてみ?」
「…」
奏平にはいつも見透かされてる。
こんな甘い飴をくれるときは、無理しなくていいっていう、奏平の優しさなのだ。
「入学式、楽しみやんなぁ」
ぽつりと呟く奏平にただ頷くだけだった。
甘い飴のおかげで、少しだけ落ち着いた気分になった。
学校に着くと、あたし達は同じクラスだった。
ほっとしていると、
「あいちゃん、よかったなぁ。俺めっちゃ嬉しい」
「…素直すぎるのよ」
「そうなんかな?」
奏平が前を歩くのに着いていく。
教室に入るのがとても怖かった。
だけど、この高校なら変わるよね―。
ゆっくりと教室に踏み出した。
入ればやっぱり、皆はグループが出来ていた。
あたしは戸惑っていると、奏平が背を押す。