裏ヤン先生に愛されます
「何々?知り合い?」
奏平が少し、嫉妬したような顔をした。
「昨日、風邪引いていたみたいだから。のど飴あげたの」
「…風邪って気づいたの。コイツだけだった」
「へぇ!そうなんだ!あいちゃん、こいつは桃鹿 類【モモジカ ルイ】」
「類って確かに変わった名前だね!よろしくー」
手を差し出してみれば、握手をしてくれた。
「奏平、あたし達。どこか行こうよ」
「そうだな。優衣もそろそろ来るし」
「は?」
類の不安そうな声がした。
「今日は俺。遊園地誘われただけだろ?」
「いや…えとですね」
奏平の表情が怪しくなる。まさかと思って聞いてみた。
「奏平、今日がダブルデートって言ってないの?」
「…っ、コイツそれ言ったらぜってー来ないもん!」
類は呆れ顔。もう帰りたいという空気を悟った。