裏ヤン先生に愛されます

「…類は好きな子とかいないの…？」

お化け屋敷を脱出すると、息を整えて聞いた。

「いねぇよ、そんなモン。いたらめんどくせぇじゃん。

気持ちをただ言えばいいってモノじゃねぇ。

…本当に好きな奴らを見てきたから、俺は恋愛なんてしない」

すっぱりと言うと、あたしはだんまりした。

（やっぱりクールって感じ…。普段笑わないけど、時々見せたりすると。

優衣もセンスあるのかなって思う。

ていうか、恋愛は過去に何か嫌なことあったんだ…。

深く聞かないでおこ）

「お前はいるんだろ？彼氏」

「え、どして？」

「…手。握ったときに、慣れてたから」

「あー…、うん。一応ね」

「…一応？」

これ以上言うのも、歯止めが利かなくなりそうだったから俯いた。

「…禁断の恋ってヤツ？」