裏ヤン先生に愛されます
家に帰ると、奏平が血相を変えて飛びついた。
「あいちゃん!心配したで」
「あいら、奏平を黙らせてくれ」
奏平とお兄ちゃんが、ぎゅうっと押し合っていた。
「奏平、ごめんね。でも類はいい人だったよ?」
「類…?」
「ん?」
「センセーにちくってやる!俺がドカンと言ってやる!
あいちゃんは浮気しとるって」
「は!?違うよ!!類はただ励ましてくれただけだもん!」
「それが隙を作るっちゅーことやん!」
「何よ、奏平の馬鹿!」
お金を鞄に入れて、外へ駆け出した。
ふと思えば、もう夕暮れだった。
「ホント…馬鹿なんだから」
浮気なんてしないよ。絶対に。奏平は知らないから言えるんだ。
類がどんなけいい人なのかって。