裏ヤン先生に愛されます


「体育館まで一緒にいこ」

「え、でもあの子は…」

振り返ると奏平は、さっそく友達を沢山作っていた。

「あぁ、幼馴染だから登校一緒なだけで。普段は行かないよ」

「そうなんだ」

優衣と一緒に体育館に行くことに。


出席順であたしと優衣は隣だった。

「体育館広いね」

「そうだよね!」

はきはきと元気のある子で、あたしがこんな子になりたいと思ったほどだった。

そして先生紹介に変わったとき。

あたしの運命が大きく鳴り響いた。

「俺は1-Dを担当する、桜尾 狼(サクラオ オウ)です」

「私達の担任だね、あいらちゃん」


言葉が出なかった。ただ見間違いだと思いたかった。                                                    
「あいらちゃん?」

「…あのセンセー…。本当にあたし等の担任…?」

夜道で出会ったあの、チャラついた服装に、金髪。

ピアスを沢山つけてた…。

だけど今は黒髪。

やっぱり違う人…?

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