裏ヤン先生に愛されます
桜尾 狼 -不良の訳-
初夏、部活に明け暮れる中学時代。
そして、恋愛に苦しむ時代でもあった。
「あちー、今日もオンナと遊ぶか」
俺は部活もやらず、勉強もやらなかった。
顔がいいだけで近寄るオンナを、弄んだ。
その内に、オンナは自分の暇を失くすオモチャだと思い始めていた。
中学1年生の夏休み前。
「…あのさ、女遊びやめたらどう?」
家が近所の幼馴染が、声をかけてきた。これで、注意されるのは何回目だろう。
「うるせェな。お前も遊んで欲しいわけ?」
「あんたみたいに捻くれるヤツには、分からないだろうけど。
うちはずっと好きだったのよ」
コイツも顔がいい。そんでモテる理由はいっぱいあった。
広川 麻綾【ヒロカワ マアヤ】。
名前も大体可愛い。それに、頭もいいし運動も出来る。
俺とは大違いだった。
麻綾が俺を好きだと言ったとき、何故か目が離せなかった。