裏ヤン先生に愛されます
(両親は自業自得だろ。兄貴が生きていた時から、ずっとこの荒れ具合。
いい加減にして欲しい。
こんな状況で、勉強も出来るわけがない)
もう6時だっていうのに、外に出掛けた。
街をぶらぶらしていると、偶然にもアイツがいた。
「あ!狼クンじゃない。なぁにー?オンナ遊び?
まぁ、それはないか。うちがいるもんねー」
屈託のない笑み。それだけでホント身軽になるもんだ。
「…両親が喧嘩してんだよ。家で。だから逃げてきた」
「馬鹿ね。そういう時はうちに言いなさいよ。家にお邪魔させてあげるのに」
「ふん、上から目線上等」
「うわぁー…。上等とか言い方。古臭いわ。やめてちょうだい」
麻綾のずばずば言ってくれるトコ。
すげぇ、ありがたい。俺が何を間違えたのか。すぐに分かるしな。
「狼クン、ほら。夏なのに空が真っ赤よ」
「空ぁ?何がいいわけ?」
「綺麗じゃない」