裏ヤン先生に愛されます
「お母さん、狼クン。今日ウチ泊めていい?」
「どうぞー」
そこには、俺の知らない世界があった。
羨ましさとかも感じなかった。
だけどただ、自分の家と比較してしまった。
「…眩しいな」
「え?電気?そうかな」
「…」
(俺の暗く汚い家よりもずっと、眩しい。
電気じゃねぇーよ…。何て言うんだろ。こういうの)
そこには俺が手に入れないものがあった。
それが両親ていうものだった。
「狼クンだっけ?うちの娘がお世話になってます」
おばさんがぺこりと礼儀正しくお辞儀をした。
「…いえ。俺の方が世話になってます」
「狼クンが敬語なんて、珍しー!!学校ではもっといかついのよ?お母さん」
「あら。ホント」
仲良く喋っている。親子で、あんなにも。