裏ヤン先生に愛されます
「ううん、何でもない」
あんなの嘘に決まってる。
あたしが恋しちゃったイケナイ人は、あんなに真面目じゃない。
「…」
その後、教室に戻るとその先生とすれ違った。
あたしはその後を追った。
体育館裏で、喧嘩とか…?
悪い予感しかしなかった。
すると、校庭の裏側にある綺麗な裏庭だった。
「…誰かいるのか?」
優しい声のトーンと、昨日の声に凄く似ている。
「…昨日夜道にいましたか?」
すると先生はあたしの目の前にやってきた。
「誰のことだ」
うなる様なこの声。やっぱりこの人かもしれない。
「あたしは昨日、夜道で果実を落としたのを拾ってくれた不良がいます。
先生がとてもそっくりだったので…」
「そうだとしたら?」
「…え?」
「もしその不良が、先生をやってたらどうするんだよ?」