裏ヤン先生に愛されます
「…あいちゃん。入るで」
奏平が部屋に入ってきた。
それを阻止することもなく、泣いている姿を見られる。
「ホンマ、昔から泣き虫やん。何や?センセーと別れたん?」
「…的中」
「あいちゃんは、それでよかったん?」
「辛いだけなんだよ…この恋は」
きゅっと身を引き締めた。頬がどんどん強張っていく。
「…諦める恋なんかホンマは無いねんで?
誰もその人の恋は止められへん。
あいちゃんは、センセーをホンマに諦めれるん?」
奏平の言葉に顔をあげた。
その時、センセーとのいっぱい思い出が甦った。
「まだ…遅くない?」
「遅いも何もあらへん。今が大事や。すれ違ってもまた、伝えに行けばええねん」
「…」
気づくと、部屋を飛び出していた。
あたしは何かに怯えて、センセーを遠ざけてしまったのかも知れない。