裏ヤン先生に愛されます
間違った世界には、怖さがある。
前みたいによりを戻せないっていう怖さが。
愛されたい世界には、自惚れがある。
その願望で遠のいてしまうっていうのに気づかないで。
「…あいちゃん。まだ間に合うで」
奏平が哀しげに微笑んでいたことはあたしは、知らなかった。
センセーの家に着くと、迷いも無く扉を開けた。
「センセー!」
そこにセンセーが寝転んでいた。
驚いた顔をしていて、あたしは飛びついた。
「嘘でも何でもいいからっ…やっぱり。最後まで彼女でいさせて…」
願望を見せて、弱みを曝け出して。
キミを本当に、最初の恋人にしたい。
「センセーが大好き…」
頬を惜しまず流れる涙は、何故流れたんだろう。
ただ、必死にセンセーを呼んだ。