裏ヤン先生に愛されます
何かの運命が動いた気がした。
「…俺が好きだったオンナの近くには、いつもガードマンがいた。
多分、ガードマンのおかげで1人ぼっちじゃなくなったんだ。
だから近寄れなかった。
だけど、アイツはガードマンの傍では笑うんだ。
あんな笑顔、俺は知らない。
それに話しかけることすら出来なかった俺には、
一目ぼれでコクる勇気もなかった…」
類の恋愛模様は、仕方が無かった。
その人は、一体誰なんだろう。
鈍感なあたしには、気づくことすらできなかった。
「だけど、ソイツはもう手に入る可能性が出来た。
そうだろ?あいら」
「…え?」
「俺の初恋は、ずっとお前なんだよ。あいら」
「えええぇええ!?」
あたしがぱくぱくと、上手く口を動かせないでいると。
きゅっと手を握られた。
少しだけその手が震えていた。