恋愛喫茶~大人の恋の在り方~番外編。
「あぁ、焼き方さえ覚えたらそんなに難しくないぞ。
どうだ?雅樹もやってみるか?」と言ってきた。
「いや…いいよ…」と言い掛かったが
フッと彼女の顔が浮かんだ。
俺がオムライスとか上手く出来るようになったら喜んでくれるだろうか?
父の手料理を絶賛する彼女なら間違いなく美味しいと言ってくれるだろう。
「…俺もやってみようかな…?」
ボソッと呟いてみる。
その時の父は、嬉しそうな表情をしていた。
今思えば…俺が料理を始めるきっかけだったと思う。
それから父に料理の他にお菓子作り、コーヒーの淹れ方などを学ぶ。
最初は、些細なきっかけだったけど…
意外と俺に向いていたのか、めきめきと上達する。
半年になるぐらいには、1人でも作れるようになっていた。
「これ、本当に雅樹が1人で作ったの?
いや~ん。凄く美味しい~」
彼女も俺の手料理を食べて喜んでくれる。
「まぁね…」
「きっといいお嫁さんになるわよ~」