ご懐妊!!2~俺様上司は育メン愛妻家になりました~
プロローグ
「佐波」
私を呼ぶ低い声が心地良い。
夏の夜の寝室。
クーラーのブーンという音、ベッドの軋み、常夜灯のわずかな灯り。
私は大好きな旦那さんの顔を見つめる。
一色褝(いっしきひとえ)、33歳。
通称ゼンさん。
私より6つ年上の愛する旦那さん。
ベッドに座った姿勢で私は彼の唇に口づけた。首に腕を回し、触れるようにキスする。
ゼンさんは、優しいキスで終わらせるつもりはないみたい。
キスを深くしようと彼が顔の角度を変える。
私の後頭部を支え、少し強引に。
ああ、そんな強引なやり方、すっごい好き!
私は彼の身体をぎゅうっと抱き締める。
その時……。