ゾルダート―セルジュの憂鬱
セルジュの憂鬱

始末書代わりに

オレはセルジュ〜。


要人警護のエキスパート、「ゾルダート」のメンバーだぜ〜。


オレの担当は主にテロリスト〜。で、そいつをナイフで襲撃する役なんだが、今日の任務で取っ捕まえたテロリストは、とっても可愛いお姉ちゃん〜。


レイ先輩に内緒でアジト近くで口説いちまった〜。


「あの」


お姉ちゃんが話しかけてきた〜。可愛いな〜。こんな可愛い女の子を刺すなんてムリムリ〜。


「名前は〜?」


「レイ」


はあ〜?あのオトコオンナ……じゃなかった、レイ先輩と同じ名前〜?そいつはかなわねぇな〜。


ん?どこかで見たような顔かも〜。


「レイっていう名前はどうにもなあ〜」


「実はお姉ちゃんと同じ名前。双子なの」


……ま、まさかね〜。


「セルジュ」


とってもとってもとーっても聞き覚えのある、というか毎日聞いている声だな〜。


「私の妹を口説くなんて、いい度胸じゃない」


「先輩、テロリストの姉貴なんですか〜?」


「今回はあんたの女癖の調査。レイは囮よ」


だ、だまされた〜!金髪が逆立ってしまうほど震え上がったぞ〜!


「ボスへの報告は、勘弁〜!」


「じゃあ」


レイ先輩がいたずらっぽく笑った〜。


「罰として、パウルと1ヶ月ずーっといっしょに暮らしてなさい」


「うぇ〜!」


オレは悶えた〜。なんてったって、無口で何考えてるかわからんあいつ……パウルと共同生活だ〜!


しかし始末書を突き付けられちゃ、ぐうの音も出ない〜。


野郎との共同生活〜。オレの人格が破壊されそうだ〜!
< 1 / 3 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop