ゾルダート―セルジュの憂鬱
誕生日の災難
「いや、答えなくていい〜。いや、答えるな〜!」
「セルジュ」
パウルがいきなりテーブル越しにオレの手を握りやがった〜。
ちょっと待て!オレにはそんな趣味はないぞ〜!
「こうやっていっしょに暮らせるのは、俺を好きでいてくれるからだって聞いた。俺も……お前が……」
おい!レイ先輩はなんてことを言ってくれたんだ〜!しかも、野郎から愛の告白が〜!
「違う〜!オレは始末書代わりに〜」
「恋愛に始末書は必要ない」
だから違う〜!あーあ、こいつの片目にはハートマークが見える〜!
オレがパウルを振り切ってアジトに駆け込んだら、レイ先輩は残業中だった〜。
「先輩〜!ひどいっすよ〜!」
「あらま」
憎らしいほどきれいな笑顔を浮かべた先輩が、顔を上げたぞ〜。
「お誕生日祝いはどうだった?」
やっぱり企んでたんだな〜!くそ〜!
「始末書にさせていただきます……」
というわけで、オレはファストフード生活に逆戻りだ〜。
パウルは熱い視線を送ってきて、オレのジャケットは焦げそうになりやがる〜。
憂鬱の種はもうひとつ……舌が肥えて、ファストフードじゃ満足できなくなっちまったんだ〜。
うまいものを食べたけりゃ、ある意味覚悟してパウル宅に乗り込むしかないが、貞操の危機があるからな〜。
レイ先輩は、そんなオレの葛藤を見透かしたように笑ってるんだ〜。
ま、うまいものには毒があるってところらしい〜。
(了)
「セルジュ」
パウルがいきなりテーブル越しにオレの手を握りやがった〜。
ちょっと待て!オレにはそんな趣味はないぞ〜!
「こうやっていっしょに暮らせるのは、俺を好きでいてくれるからだって聞いた。俺も……お前が……」
おい!レイ先輩はなんてことを言ってくれたんだ〜!しかも、野郎から愛の告白が〜!
「違う〜!オレは始末書代わりに〜」
「恋愛に始末書は必要ない」
だから違う〜!あーあ、こいつの片目にはハートマークが見える〜!
オレがパウルを振り切ってアジトに駆け込んだら、レイ先輩は残業中だった〜。
「先輩〜!ひどいっすよ〜!」
「あらま」
憎らしいほどきれいな笑顔を浮かべた先輩が、顔を上げたぞ〜。
「お誕生日祝いはどうだった?」
やっぱり企んでたんだな〜!くそ〜!
「始末書にさせていただきます……」
というわけで、オレはファストフード生活に逆戻りだ〜。
パウルは熱い視線を送ってきて、オレのジャケットは焦げそうになりやがる〜。
憂鬱の種はもうひとつ……舌が肥えて、ファストフードじゃ満足できなくなっちまったんだ〜。
うまいものを食べたけりゃ、ある意味覚悟してパウル宅に乗り込むしかないが、貞操の危機があるからな〜。
レイ先輩は、そんなオレの葛藤を見透かしたように笑ってるんだ〜。
ま、うまいものには毒があるってところらしい〜。
(了)