僕のイケナイ先生（→『信じられない彼女ー僕のイケナイ先生』から改題）

午前７時５５分。

早朝の私鉄のプラットフォーム
では、通勤途中のサラリーマン
のおじさんや化粧の匂いをさせ
たOL。学生服の中高生の人息で
、ごった返し。

電車がきますーアナウンスの声
。

僕は、容子先生の朝６時３０分
のモーニングメールに、親指全
速力で返信した。

頭の中では、僕たちの約束が、
駆け巡ってる。

３つのメリットは、目の前の媚
薬だな。

１、今度会ったら、セフレ！！

２、何たって、学校新聞に載れ
ちゃう。

それから、今朝のメールで足さ
れた三番目。

３、夏休みの課外授業。宿題も
ばっちりだぜっ！

この３つのメリットとの交換条
件は、ただひとつ――

緒田っちの代行を、イジメるこ
と。

容子先生の言うことに下僕のよ
うに従うか…。

あんまり気が進む条件じゃない
けど。

校長の娘だし。ドSだから、し
ょうがないし。

大人と子どもは、違うって、こ
こ。

何か、容子先生にはもっともら
しく僕に説明する理由を作って
そうだよ、きっと。

いじめなきゃならない、理由。

ーにしても。

どうやって、僕にいじめろって
訳？

やり方なんて、分かんない。

相手も知らないっつうのに。

でも、やっぱり３つのメリット
。ABCで、男になるし。

容子先生は、僕の女。

もしかすると、容子先生の影響
で、僕にもSが芽生えたりして。

な～んちゃって。

僕は、箇条書きみたいに心の内
で整理してみた。

これって、O型っぽくない？

目的のためには、手段、選ばず
。

野望のためには、仕方ないな。

けれども、容子先生には、話を
ざ～とらしく逸らして、こんな
風に書いてみた。

『容子先生へ。

おはよぉ！KY！

話が見えないし。会って話した
いです。』

んっと、今度、違うネームにし
ようかな。メル友顔バレになら
ないように。

僕が、Xで。

Youkoが、Y。

YとX、二つの関数が絡んで。

いいじゃん、これ。

『Xより』そう付け足した。