僕のイケナイ先生(→『信じられない彼女ー僕のイケナイ先生』から改題)
帰りの会が終わると、僕と滝は
一目散で三つ先の駅のアイスク
リーム屋に向った。

緒田っちの代行の先生っていう
のは、今日は現れなかったし。

あ~眼の前の30種類のフレー
バー、どれにしようかなっと。

滝塚が、ダブルを注文して、僕
、トリプル。

「ねえ、知ってる?」

「何を」

「須藤が携帯取り上げられたの」

学校には携帯電話を持ってくる
のは、禁止だけど。

みんな上手く隠し持ってるもの
で。

「知るわけないじゃん。ドジだ
な、そいつ。須藤ってどんな奴
?」

「C組の男。でさ、取り上げた
容子先生とキスするって息巻い
てるんだって」

「えーっ。何でだよ。話、見え
ないよ。

C組の須藤?見た目結構
イケメンの奴だよね?」

「うん」

容子先生に携帯電話を没収され
た後に、予測できない展開が
あったのかも。2人の仲がぐっと
接近したのかな。

滝の話によると。

「容子先生ったら、怒るどころ
か、メアドを交換して、メル友に
なったんだって噂だよ。」

「えっマジに?メル友って2人が


あいつ何考えてんの。

僕っていうのがありながら」

僕は、聞き捨てならない話に、口
を尖らせた。


それが本当なら、ぷんぷんだよ。

だってそうだろう?

昨日の今日で、もうライバルが、
出現なんだもん。

「まぁ噂だからさ。須藤が1人
で言ってるだけかもしれないし


滝は僕をなだめるように言うけ
ど。

あのイケ先の容子の事だから、
僕と両天秤にかけてるって、
あり得るじゃん。

ちょっと頭にイカ天がのりそう
になって、いつしか容子なんて、
呼び捨てにしちゃうよ、僕。

「容子のお気に入り、僕だけじ
ゃないのかよ。ヤバクない?」

「うーん。三角関係だね。四角
じゃないだけいいと思うっきゃ
ないか。

それとも…

同い年の女に鞍替えするとか。

考えた方がいいんじゃない?」

滝塚はあっさり言うけれど、男
として引き下がる訳にもいかな
いし。

あっと…男になるのは、明後日
だから、まだ少年だけど。

僕は、滝塚にムキになって言い
返した。





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