愛してるの育て方
「…あれ?」

公園の端に傘が置いてあった。
何かと思って見に行くと、傘の下にいたのはダンボールに入れられた子犬。

「犬だ」

犬は好き。本当は猫の方がもっと好き。
どちらも可愛いので正義。

「誰か優しい人が置いていってくれたのかな」

雨に濡れないようにと置かれた傘。
この世の中にも、まだまだ優しい人はいるみたいだ。

「犬ね。…うち猫いるからなぁ」

俺が飼っている猫もノラだった。
拾った当初は一切懐いてくれなかったけど、今はだいぶ仲良くなった。



「……誰ですか」

「ひゃっ!」

誰かがすぐ後ろにいることを声で察知。
雨に紛れて気配を感じなかった。

< 14 / 46 >

この作品をシェア

pagetop