愛してるの育て方
「?」

「使う? ……あ、今日の体育汗かいてないよ!」

「え?」

「ほら、濡れたままじゃ気持ち悪いでしょ?」

「いいんですか?」

「うん」

「ありがとうございます」

麻木さんは小柄だから確実に大きいだろうけど、濡れたままの不快感よりはましだと思った。

それは多分麻木さんも同じ。
だって体操服を受け取ってくれたから。

「洗濯して返しますね」

「うん」

「あ、瀬戸くんの電車もうすぐ来るみたいですよ」

「本当だ。じゃ、俺帰るね。
気をつけて」

「瀬戸くんも気をつけて」

俺は麻木さんと別れた。

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