愛してるの育て方
正直俺だって不思議だ。

麻木より可愛い子なんていくらでもいる。
それなのになんで、麻木から離れたくないんだろう。



「あ、そういえばあの犬なんだけどね」

「チョコ、でしたっけ?」

「そうそう。うちの猫とすっごく仲良くなってさ、超可愛いの!」

そう言うと、麻木の頬が少しだけ緩む。
麻木の微笑みはやっぱり可愛くて、鼓動が早まった。


あぁそうか。俺は麻木の笑顔を見たいんだ。

いつも一人でいる麻木の偽りなんてない笑顔。本物の笑顔。

いつか俺という存在が彼女を笑顔にできたらな、と思う。

< 41 / 46 >

この作品をシェア

pagetop