ゾルダート―セルジュの憂鬱(2)
オレの語尾を返せ〜!
語尾の矯正
あれは、ある暑い夏の日だったな〜。そう、オレの存在を否定するような出来事が起きたんだよな〜。
「セルジュ」
「嫌ですよぅ」
「何も言ってないわよ」
「どうせ肩もみでしょぉ?どうせならパウルに頼んでくださいよぉ。オレ、今は忙しくてぇ……」
「そう、アイス食べながら音楽聴いてるのが忙しいの?」
レイ先輩は何の迷いもなく、オレの大切なこだわりのイヤホンを耳から引きちぎったんだよな〜。オレの耳はもげそうになって、くわえていたイチゴアイスは、これもまたぐいと引っ張られて取り上げられたんだな〜。
「いたたたたぁ!何するんですかぁ!」
「話を真剣に聞きなさい」
「分かりましたぁ」
仕方なかったんだよ〜。誰だってそうすると思うぜ〜、きれいな鬼の形相を目にしたらな〜。
「あんた、言葉遣い直しなさい。その小文字の語尾がうっとうしい」
「なんでオレの語尾が『小文字』なんて分かるんですかぁ。ダッシュかもしれないじゃないですかぁ」
「うるさい」
今度はタバコに火をつけようとしたオレの指から、レイ先輩はそれを引き抜いて、あらん限りの力でグリグリグリとヒールで捻り潰したっけな〜。
まずいぃ……言うことを聞かないと、オレ自身がタバコみたいになっちまうぅ……じゃない、なっちまう。
「というわけで、語尾の矯正ね。パウル!」
「セルジュ」
「嫌ですよぅ」
「何も言ってないわよ」
「どうせ肩もみでしょぉ?どうせならパウルに頼んでくださいよぉ。オレ、今は忙しくてぇ……」
「そう、アイス食べながら音楽聴いてるのが忙しいの?」
レイ先輩は何の迷いもなく、オレの大切なこだわりのイヤホンを耳から引きちぎったんだよな〜。オレの耳はもげそうになって、くわえていたイチゴアイスは、これもまたぐいと引っ張られて取り上げられたんだな〜。
「いたたたたぁ!何するんですかぁ!」
「話を真剣に聞きなさい」
「分かりましたぁ」
仕方なかったんだよ〜。誰だってそうすると思うぜ〜、きれいな鬼の形相を目にしたらな〜。
「あんた、言葉遣い直しなさい。その小文字の語尾がうっとうしい」
「なんでオレの語尾が『小文字』なんて分かるんですかぁ。ダッシュかもしれないじゃないですかぁ」
「うるさい」
今度はタバコに火をつけようとしたオレの指から、レイ先輩はそれを引き抜いて、あらん限りの力でグリグリグリとヒールで捻り潰したっけな〜。
まずいぃ……言うことを聞かないと、オレ自身がタバコみたいになっちまうぅ……じゃない、なっちまう。
「というわけで、語尾の矯正ね。パウル!」
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