不器用な彼の愛し方《番外編完結》


忍び足で表口に向かう。



そして表口から校門を潜り抜けた時だった。


「待てよ」


その声と同時に腕を掴まれた。


そのドスの効いた低音の声に、思わず固唾を呑む。



「こっち向け」


命令口調で言われ、体が勝手に後ろを向く。



もちろんそこに居たのは


「....と、うま」


「待ってろって言ったよな?」


...いつもどおりの無表情。


何を考えてるのかはさっぱりわからないけれど、ただひとつ私にわかることは




斗真が怒ってるということだ。


聞かなくたってわかる。


....やっぱり先行ったこと怒ってるよね。


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