不器用な彼の愛し方《番外編完結》
.....でも、駄目なんだ。
この優しさに溺れては駄目。
「苦しくなんてない。
..お願いだからほっといて」
わかってる。こんなの筋違いだってわかってる。
私が斗真にきつく言う資格なんてないのもわかってる。
斗真が心配してくれてるのも全部わかってる。
この前も、斗真は私を心配して話を聞こうとしてくれた。
同情なのか、興味本位なのかはわからないけれど斗真が優しいということは、それだけで十分わかる。
でも、人に頼りたくないし甘えたくない。
第一、頼り方も甘え方もわからない。
私は....何も知らない。
「....わかった」
「でも、お前が心から助けを望んだ時。俺が絶対に助けに行ってやるから」
無表情じゃない、何かを決意したような表情の斗真を見て、少しだけ泣きそうになった。