不器用な彼の愛し方《番外編完結》
それから家まで送ってもらった。
家の前まで来て斗真にお礼を言おうとした時、斗真が口を開いた。
「携帯」
「え?」
「携帯貸せ」
何も考えず携帯を斗真に差し出す。
「何するの?」
私の問いかけには答えず、黙々と私の携帯を操作する斗真。
そして、用が済んだのか私の手元に戻って来た携帯。
「俺は超能力者じゃないから、言われなきゃ助けにいけねぇ。だからなんかあったら絶対俺に連絡しろ」
「....うん」
「ありがとう」
そうお礼を言いながら思う。
ーーーー斗真に助けを求めるなんてそんなこと出来るわけがない、と。