不器用な彼の愛し方《番外編完結》
落ち着かない空間、落ち着く空間
ーーーーーーーーーーーーーーーー
家に入ると珍しくお母さんとお姉ちゃんの靴があった。
早く夕飯の支度しないと。
まだ少し重い体を動かし、リビングに向かう。
リビングに繋がる扉を開け、目に飛び込んできたのは
「私達より帰ってくるのが遅いなんてどういうことなの?!」
「家の前で話してたのは彼氏〜?
あんたにあんなイケメンはもったいないって。まじ生意気」
恨めしそうに私を見る二つの顔。
「ごめんなさい。すぐ作ります」
相手にするのも面倒で、適当に受け流そうとした。
でも、そう簡単にはいかなくて
「ねえ、あの人は誰?
まさか、あんたの彼氏なんて言わないわよね?」
お姉ちゃんが目を細め疑うように私を見てくる。