不器用な彼の愛し方《番外編完結》
その視線にさえ、今の私には気持ち悪くなる原因となるのに。
.....なんだか吐きそうだ。
「彼氏じゃない。クラスメイト」
....駄目だ。
この家の空気は、この空間は。
どうしても好きになれない。
居心地悪い。
斗真と居た時は、空気がすんでるように感じたし、息もしやすかった。
何より安心した。
でも、今は。
今は息がしにくい、息苦しい。
「へえ、クラスメイトねー。
....じゃあ私、狙っちゃおっかな〜」
ニヤッと美しく弧を描いて笑った。
お姉ちゃんは、美人だ。
私とは違い黒髪で、目元がキリッとしている。
街ですれ違えば、一度は振り返ってしまうような独特の雰囲気を醸し出している。