不器用な彼の愛し方《番外編完結》

私も割と顔は整ってる方だと思う。


けれどもお姉ちゃんの美貌にはかなわない。


そんなお姉ちゃんには彼氏がいる。

顔は見たことない。

....でも、彼氏がいるのに他の男に手を出そうとするの?


それって浮気、なんじゃないの。


「ねえ、いいでしょ?」


私を舐め回すのような視線。

挑発気味の態度。



.....そうか。そういうことか。

私が斗真を狙っていると思っているのか。


だから、自分のものにしてやろうと。

そう考えているんだ。


お姉ちゃんは昔からそうだった。

私のものを全て奪っていった。


小さい頃お小遣いを貯めてかった人形も、髪飾りも。

お母さんからの愛も優しさも。


それで優越感に浸っていたんだと思う。

私の方が上なんだって。



.....今更こんなことを嘆いたって仕方ないけど。

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