不器用な彼の愛し方《番外編完結》
「えっ、......ちょっ!下ろして!」
「こういう時くらい甘えてろ」
さっきの恐ろしいほど冷たい目はどこへいったのか。そう聞きたくなるほど優しい目。
「で、でも....!」
「....あぁ、おんぶじゃ嫌なのか」
何を血迷ったのか、今度は私を横抱きにしてきた。
つまり世に言うお姫様抱っこ。
.....何これ。さっきより恥ずかしい。
まだおんぶの方がマシだった。
そう思っても、身体中が痛くて抵抗する気も起きず、そのまま大人しくお姫様抱っこされた。