不器用な彼の愛し方《番外編完結》
「でもさーぶっちゃけ後藤さん気にくわないんだよね〜」
さっきまで興奮気味だった百合が口を尖らせて言った。
そのあとに杏奈と杏里が続けて言った。
「あーわかる」
「あの子絶対自分が顔整ってるって自覚してるよね。男好きだしー」
......この空気、嫌いだ。
『そんな事言うのやめようよ。後藤さんだって勇気出して告白してるんだからさ』
喉のすぐそこまで出かけた言葉。
でも、今私がここでそんな事言ったらまた私は一人になる。
喋った事のない後藤さんを庇ったがために一人になる。
孤独になる。
.......いや、だよ。
もう一人になんてなりたくない。