不器用な彼の愛し方《番外編完結》
喉のすぐそこまで出かけた言葉は、声にする事なく消えていった。
「私、トイレ行ってくるね」
また私はこうやって逃げるんだ。
行くあてもなく、廊下を走る。
しばらく無心で走っていると
「.......ダメ、かな?」
鈴のなるような綺麗な声が聞こえてきた。
その声のした方に目を向けると、そこには斗真と後藤さんがいた。
階段の踊り場で二人で話している。
.....告白現場、だよね?
可愛く頬を染める後藤さん。
可愛い.....。
あんな可愛い子に告白されて、断る人っているのかな。