不器用な彼の愛し方《番外編完結》
「楽しく、ない....」
「そっか。じゃあ二つ目。
どうして楽しくないの?」
「.....一人になることが怖くて、自分の意見もまともに言えない、上辺だけの友達しかいないから....」
「うん。じゃあ三つ目。
美優花ちゃんはこの生活を変えたいと思う?」
....えっ、
この生活を変える?
それはつまり、偽るのをやめるって事?
「....変えたいとは思う。でも怖い....っ」
一年の時みたいに孤独になるのが怖い。
自分の周りから人がいなくなるのは怖い。
悲しいよ。
「何が怖いの?」
「一人になる事が怖い...」
拳をぎゅっと握りしめ、かすれ気味の声で言った。
すると
「大丈夫だよ」
紗江ちゃんが握りしめた私の拳を両手で包み込んだ。
「美優花ちゃんは優しい子なんだから。
上辺だけの友達じゃない、心から笑いあえる友達きっと作れるよ」