不器用な彼の愛し方《番外編完結》
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「おはよー......って、え!?
美優花そのほっぺたと足と腕!どうしたの!?」
話をして以来すっかり本音で話せるようになった百合が、私を見て驚いたように叫んだ。
「あー、昨日派手に転んじゃって。
そしたらこの様だよ....ははっ」
一瞬、本当の事を言ってしまおうか。
そんな事を思った。
でもこれは私の家の事。
話したら百合に余計な心配をかけるから、と思いとどまった。
「そうなの?何か手伝えることあったら何でも言ってよ?」
「....うん。ありがとね」
百合の優しさが胸にしみて、少しだけ泣きそうになった。
そしてあっという間に4時間目までの授業が終わり、昼休みになった。
手を洗いに行こうと水道に向かった。
その時、廊下の時向こう側から斗真が歩いてきた。
斗真は授業中寝てばっかだから、今日は今初めて斗真の顔をしっかり見た。
斗真はポケットに手を入れながら、無表情で歩いてくる。
そして、そんな斗真を見つめるいくつもの熱い視線。
....斗真はその視線に気づいてるのかな?
そんなことを思いながら、一度逸らした視線をまた斗真に戻した。
その瞬間、斗真と目があった。
そして、私の横を通り過ぎる時に私の耳元で
斗真は言った。
「五分後、屋上」