不器用な彼の愛し方《番外編完結》

階段を登り最上階についた。

扉を開けて屋上に足を踏み入れる。




もう秋だからか、少し肌寒い。

屋上から見える校庭の木々は、黄色や茶色に染まり始めている。



屋上を見渡してみると、端っこの方にフェンスにもたれかかっている斗真がいた。




斗真は座りながら目を閉じている。


その姿は相変わらず様になっていて、本当に絵になる。




少し悔しくなってしまうほどだ。




.....声かけた方がいいのかな。


かけなきゃ来た意味ないもんね。





斗真に近づき声をかける。



「....斗真、起きて」



私が呼びかけると斗真はすぐに目を開けた。



「起こしちゃってごめんね。
さっきのって屋上に来いってことだよね?」




「....ん」



相変わらず無表情で無愛想。

< 214 / 400 >

この作品をシェア

pagetop