不器用な彼の愛し方《番外編完結》
階段を登り最上階についた。
扉を開けて屋上に足を踏み入れる。
もう秋だからか、少し肌寒い。
屋上から見える校庭の木々は、黄色や茶色に染まり始めている。
屋上を見渡してみると、端っこの方にフェンスにもたれかかっている斗真がいた。
斗真は座りながら目を閉じている。
その姿は相変わらず様になっていて、本当に絵になる。
少し悔しくなってしまうほどだ。
.....声かけた方がいいのかな。
かけなきゃ来た意味ないもんね。
斗真に近づき声をかける。
「....斗真、起きて」
私が呼びかけると斗真はすぐに目を開けた。
「起こしちゃってごめんね。
さっきのって屋上に来いってことだよね?」
「....ん」
相変わらず無表情で無愛想。