不器用な彼の愛し方《番外編完結》
初めて斗真の私服を見たけど....かっこいい。
とてもシンプルだけど元の素材がいいからか、キラキラ輝いている。
「斗真っ」
近寄りながら名前を呼ぶと、私の声に反応した斗真が振り向いた。
「待たせてごめんね。行こっか」
「ん」
斗真の短い返事とともに歩き出す私達。
少しだけ、.....いや。本当はだいぶ気が重い。
今まで色々なものをお姉ちゃんにとられてきた。
だから、斗真もとられてしまいそうで怖い。
なんでだろう。
前まではお姉ちゃんと斗真が付き合おうがどうなろうが別にいいと思ってたのに。
今は嫌だと思ってる私がいる。
斗真が人を見た目で判断するような人じゃないことぐらいわかってる。
でも、それでも心配になってしまうほどお姉ちゃんは綺麗なんだ。
中身は悪魔でも外見は天使のよう。