不器用な彼の愛し方《番外編完結》
幼少期から菜月とは仲が良かった。
あんなお母さんだけど外面だけはよかったから菜月のお母さんともうまくやっていた。
菜月のお父さんは交通事故で亡くなってしまって菜月の家も母子家庭だった。
私と菜月は共通点が多くてどこにいても一緒にいた。
そして小学校に上がる時、菜月の病気が発覚した。
その病気が手術でしか治らない、そしてとてもじゃないけど菜月の家で出せないほどの費用がかかるということだった。
元々、菜月のお母さんは菜月のお父さんが残していった借金を返すことでいっぱいいっぱいだった。
そんな菜月のお母さんに銀行がお金を貸してくれるはずもなく、菜月の手術費は一向に集まらなかった。