不器用な彼の愛し方《番外編完結》

そんな時、菜月のお母さんが私の家に来た。




そして


『こんな事を頼むのは失礼だということはわかっています。
ですがどうか.....お金を貸していただけないでしょうか...』



涙を流して土下座までした菜月のお母さん。




その姿を見てとても心が痛んだ。




....最初からわかっていた。


私の家に人様に貸せるほどのお金がないことも。


お金の貸し借りがそう簡単にできるものじゃないことも。



わかってた。





.....でも、お母さんは。


ずっと仲良くしてきた菜月のお母さんに




『ふふっ、ごめんなさいねぇ?
貴方のような人に貸せるお金なんてないの。
目障りだから早く出て行ってくださる?

...あともう二度と私の前に姿を見せないでくださいね?』




残酷すぎる冷たい視線と言葉を投げつけた。
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