不器用な彼の愛し方《番外編完結》

『.....菜月、ごめんね....ごめんね』


溢れ出す涙を堪えながら謝る私に、菜月は私の頭を撫でながら笑って言った。




『何で美優花が謝るの?私は大丈夫だよ』



菜月は優しくて、そして強かった。





それから二年経って菜月は帰らぬ人となった。




.....ねえ菜月。
菜月は今天国で幸せにやってる?


私、『医者』になるからね。



菜月のようにお金がなくて手術が受けられない。

そんな子がもう出なくなるように、お金を払わなくたって私が治療するんだ。



でも医者になるにはそれ相応なりの頭と....お金がいる。


そのために貯めてたお金だったのにな......。


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