不器用な彼の愛し方《番外編完結》
「お、おはよう。…斗真」
「ん。眠れたか?」
寝癖なんて一つもないサラサラな黒髪を見ながら答える。
目は見れない。
「お陰様でよく寝れたよ。…あの、それよりさっきの聞いてた…?」
「あぁ」
…ですよね。
ああ、なんで声に出したんだろ私。
恥ずかしいを通り越して今すぐにでも消えたい衝動にかられる。
しかも斗真は私とは正反対にとても悠々としていて、ほんの少し悔しくなった。
斗真の中の私は『手のかかるクラスメイト』、そんな感じなのかな。
でも、いろんな事が全部解決したら…告白してみようかな。
このまま曖昧にしていたら斗真は優しいから一生私を突き放さないと思う。
はっきり境界線を引かなくちゃいけないんだ。