不器用な彼の愛し方《番外編完結》
それより早く自分の事をどうにかしなくちゃいけない。
「ねえ斗真。ちょっと電話してきてもいい?」
「あぁ…だったら隣の部屋使え」
「うん。ありがとう」
机の上に置いてあった携帯を手に持ち、部屋を出て隣の部屋に向かう。
手の中にある携帯を数秒眺めてから、連絡先にある一つの名前に電話をかける。
「もしもし....おばあちゃん?」
「.....この声は、もしかして美優花かい?」
おばあちゃんのその言葉で目にじわりと涙が溜まった。
…覚えててくれたんだ、私の声。