不器用な彼の愛し方《番外編完結》
「…美優花?大丈夫かい?ゆっくりでいいから話してごらん」
何かを察したらしいおばあちゃんが優しい問いをかけてくる。
…そうだよ。
言わなくちゃ。
「あの、ね。…お母さんとお姉ちゃんの事で話したい事があるの」
「長くなると思うから直接会って話したいの。…急だけど明日おばあちゃんの家に行ってもいい、かな?」
「…もちろんだよ。楽しみに待ってるよ」
電話を切って、一つ息を吐く。
「終わったか?」
扉の向こうから斗真が声をかけてくる。
「終わったよ」
そう言い切る前に斗真は扉を開けて中に入ってきた。
「明日おばあちゃんの家に行ってくる」
私のその言葉に斗真は
「あぁ」
それだけ返事をして頭をくしゃくしゃっと撫でてきた。
おばあちゃん、どんな反応するのかな...