不器用な彼の愛し方《番外編完結》
「ほら、あんた逃げなよ。
今がチャンスだよ」
女子生徒を見ながら言うと、ハッとした様子で私を見てきた。
「で、でも.....」
「行きな」
そう言うと、後ろ髪を引かれるように私をチラチラ見ながら走って行った。
「ちっ、逃がしちまったじゃねーか
代わりにお前が払えよ」
胸ぐらを掴みながら私をジロジロ見てくる不良。
怖いとか、そんな気持ちはないけど
気持ち悪い。
「無理」
胸ぐらを掴まれて、酸素が足りなくなってきた。
本当、最悪。