不器用な彼の愛し方《番外編完結》
ベットは2つあるんだから、一緒に寝る必要はないでしょう!?


パニックになる私をよそに、斗真は淡々と言う。





「手出したりしねぇから来いよ」

ーーーー…なんかどうでもいいや。


色気を大量に含んだその声色に誘われるように、自然と身体が斗真の元へ向かう。




好きな人じゃなかったら絶対断るのに。



あぁ、ダメだ。


斗真に触れたいと思う自分を抑えられない。


結局、誘われるがままに斗真と一緒にベットに入った。


恥ずかしくて斗真とは反対の方を向いていると、ふいに私の頭の上に誰から手が乗せられた。


もちろんそれは斗真の手で。


「…斗真?」


呼びかけて見るけれど返事はない。


その代わり頭の上に乗せられた手はゆっくり動いて私の頭を撫でていく。

時々髪をするりと触られたりしていくうちに、それが心地よくてどんどん眠気が増していく。



意識が途絶える瞬間に、体全体が温もりに包まれたような気がした。



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