不器用な彼の愛し方《番外編完結》
それでも斗真が迎えに来てくれたことが嬉しいのには変わりなくて。



「お待たせ」



「…お疲れ、夕飯食べに行くか」


「…うん」




車に乗り込む時に



「彼女いたんだ…」

「あれだけイケメンだもんね、当然か…」

「うわ、ショック」



なんて声が聞こえて少しだけ優越感に浸る。




でも





「何であんな堂々と来るの」


「嫌だったか?」


「…嫌、とかじゃなくて、」








来てくれたのは嬉しいし、
ご飯を食べに行けるのも嬉しい。

嬉しいよ、だけど違くて。




そうじゃなくて、





「じゃあ、なに?」



「…だから、あんなに目立ってたら…その、」



「ちゃんと言って」



「…色々言われてたでしょ、
腕とかも……さ、わられてたし」



「ん、それで?」





「…………だから!、あまり斗真を他の女の子に見られたくない、し、触られたくない…です」








こんな嫉妬丸出しのことを言っている自分が恥ずかしくて一気に顔が火照る。



ああ、なに言ってるの私。

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