不器用な彼の愛し方《番外編完結》
~バレンタイン編~



本屋さんで買ったレシピ本を
家で眺めること一時間。


斗真が帰ってくる前に決めようと思っていたのに中々決まらない。



…何作ろう。




しばらく悩んでいると


「ただいま」


という斗真の声が聞こえて慌てて本を隠した。




「おかえりなさい」



仕事帰りのはずなのに
スーツを着こなす斗真はやっぱりかっこいい。




最近ふと思うことがある。


こんなに整っているんだから
会社の人は斗真をほっとかないんじゃないかって。






高校時代の斗真は、恥ずかしいけれど私を溺愛してくれていて浮気なんて心配したことがなかった。






学校の子からも



「斗真くんは美優花ちゃんラブだよね!
入り込む隙間もないもん!」



なんて本当に恥ずかしいことを言われたくらいだった。



…あ、本当に恥ずかしい。





でも今は?





確かに愛されてると思うし
斗真が浮気をするなんて到底思えない。

でも学生の頃とは違って会社には色っぽい人や
美人な人がたくさんいるんじゃないの?
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