不器用な彼の愛し方《番外編完結》
ニコニコして、「うんうん」
そうやって相槌打って。
心の中では、だるいとか思ったりして。
どんどん自分が汚なくなっていくような気がする。
.......まあ、これが私の生き方なんだけど。
"キーンコーンカーンコーン"
チャイムが鳴り、みんなが席に着いたのを確認して後ろを向く。
私が勝手にいろいろ決めちゃ悪いと思ったから直接聞くことにした。
「あの、学校案内の事なんですけど.....」
私が小声で声を掛けると、
机に肘を載せ頬杖をついていた斗真がチラッとこっちを見る。
「いつがいいですか?」
まるで初対面の人にするような口振りの私を斗真は不思議そうに見てくる。
「別にいい」
いや、よくないから。
あんたは良くても私は良くない。
増田先生に怒られる。
もっと問題児化してしまう。
それだけは避けたい。